制作構想

コンテストについての考察をしたら、次はどう作るかの構想を練りましょう。

それはコンセプトの決定、それにともなう方向性の決定であり、

具体的に「どこをいじるか」の大まかな決定です。

以上の綿密なプランニングをしてこそ、「勝てる」作品になり得る。と僕は考えています。


コンセプトを決める
考え方によっては勝敗を分ける最重要事項にもなりうる

作品のコンセプトは、この時点で決めてしまった方が無駄が省けるはず。という考えのもと、最初から決めてしまいましょう。

いろんなコンテストを経験した上での僕の推論なのですが、

「結局入賞如何はコンセプトにかかっているのではないだろうか?」と、考えるようになりました。

極論ですが、勝負は作り出す前から決まっている。という考え方です。

もし僕の考え方が間違っていないのならば、このコンセプト決定こそが、

コンテストで勝つための一番大きな要素ということになります。

当たり前のことですが、コンセプトを決める、ということ自体は別段難しいことではありません。

簡単な例を挙げれば……

壱.ベストプロポーション徹底改修しよう

弐.フル可動で無茶苦茶カッコイイポーズをとらせよう

参.誰も見たことの無い塗装表現を試してみよう

こんなのが非常に分りやすい例だと言えるでしょう。

ちなみに、僕のよく立てるコンセプトは、

・部分改造でイメージを変え、カッコイイ立ちポーズにしよう。

ということになります。


方向性の決定
明確な方向性は、無駄を減らしその作品に主張を持たせる

コンセプトが決定したら、そのコンセプトに対応する「表現」を決めます。

上に挙げた具体例に対応させるならば……

壱.スマートにする、マッシブにがっしりとさせる

弐.こんなポーズとあんなポーズと、あと他にこういうポーズもつけさせたい

参.鏡面テカテカにしよう、パールで不思議な風合いにしよう、まだら迷彩は斬新かも

こんなとこになるでしょう。

方向性を決めておく利点は、その方向性に該当しないものを全て切り捨てても構わない、ということに尽きると思います。

例えばプロポーション重視や可動重視の場合、細かなディテールには多少目をつぶっても問題無いですし、

発光ギミックが追加されている必然性もありません。

そして、「これがしたいんだ!」

という感じが伝わってくる作品というものには、そういう「空気」を持っています。

多少ニュアンスが違ってきますが、統一感がある仕上がりとでも言いましょうか、

いろいろゴテゴテ詰め込んで、まとまりが無い印象には間違ってもならないはずです。

「これがしたい!」という主張がハッキリ出ている作品には、必ず目指すべき方向性が確固として築かれていて、

ストレートに見る人間に何かを伝え、感じさせるものです。


改造個所選定
具体的にどこをいじるか、どうしたいかの改造プランを考える

目指すべき方向性が決定したらあとはどこをいじるか、

仮組みしたキットを眺めながらじっくりと考えるだけです。

またさらに上で挙げた例に即して書くと……

壱.スネをプラ板で2mm延長しよう。モモをポリパテ盛って太くしよう

弐.首にボールジョイントを仕込んで二重関節にしよう。腰アーマーをパイプスプリングで繋ごう

参.塗装にこだわるんだから改造はナシ。ストレート組みで勝負だ!

とまあ、こんな感じの改造方法が導き出されるでしょう。

改造プランが決まったら、あとはただ手を動かすだけです。



僕の場合、改造プランを考えるのは楽しい時間の一つなのですが、後々勢い余って暴走することを考慮に入れて、

最低限の改造で、最大の効果が得られそうな個所を見つけ出すことを念頭に入れて考えます。

そうなんです。あまり意味の無い、効果の薄い改造はしない、ということを最初から決めておかないと完成が遠ざかるんです。



あと、途中で方向性が多少変わったり、改造個所の見直しが必要になる時があります。

そうなればそうなったで、とにかく手を動かすしかないのですが、

かなりの作業量が増えてしまうことを覚悟してください。

暴走の後始末は高くつきますよ……。


01.そのコンテストを考察する 02.制作構想 03.明確な工作 04.丁寧な仕上げ

05.塗装とは全てである 06.ベースの意義 07.輸送及び展示戦略 08.反省と次回の計画 09.最後に


2ndメインへ  TOPへ


inserted by FC2 system