塗装とは全てである

塗装とは、全てである。

いきなりそう表現されても困惑されるでしょうが、

その作品を、どのような工程を辿ってきたのであれ、生かすも殺すも塗装次第。

という意味を込めて「全て」、と表現させて頂きました。

良い意味でも悪い意味でも、

狭義でも多義でも、「全て」なのだと僕は思います。



勝つ塗装
全てを担う、塗装で勝つための策

〜普通の模型店レベル〜

経験上からですが一般的な模型店のコンテストレベルなら、

「丁寧なMAX塗り」。それを完璧にこなしている作品なら、確実に勝てるはずです。

根拠は、とにかく見栄えがいいから。

フル改修してキレイに表面処理されたベタ塗りの作品よりも、

ストレートでお世辞にも美しいとは言えない表面処理を施され、その上から重厚感あるMAX塗りで塗られた作品の方が、

悲しいかな、一般的なお店の評価は高いでしょう。

見栄えがいい、ということは先にも述べたようにコンテストで勝つための最大にして必須の事項です。

それに該当する塗り方……世にそれが多々あるのは間違いないのですが、

その上で一番確実性が高く、難易度も高くない、そして本当に見栄えがいい。

以上の理由により、MAX塗りを推奨します。

「アンチMAX塗り」な方も大勢いらっしゃることを承知で書いていますが、

今すぐこの塗り方で塗ってくれ、と言いたいのではありません。

ただ、この塗り方の方が、勝つ可能性が少しでも高い。という事実を言いたいだけなのです。



〜全国規模等の高いレベル〜

主に全国レベルでのことを念頭に置いて、の話ですが、

何よりも個性的であることが求められていると思います。

特に過去にDHMが開催したガンプラ王2000の「課題部門(塗装が課題)」や、

現在HJが執り行っている、HJフェスティバルの「ガンプラ塗装コンテスト」のように、 

最近のガンプラの世界ではそのぐらい高いレベルであればあるほど、塗装に重きを置いているように感じられます。

というか、極端な話ガンプラ塗装そのものの行き詰まり感とでもいうんでしょうか、

そういうものが背後に感じられます(あくまで個人の考えです。悪しからず)



レベルが高い上に、規模が大きいならば当然のごとくその塗装が目をひくものである必要性があります。

目をひく、ということだけなら「上手い」塗装でありさえすれば問題無いはずです。

ですが、「ただ上手い」塗装では、全国レベルでは通用しないことが考えられるのも事実です。

なぜならば、その上手い完成品が一同に会する場所で、上手い作品がそこに一つあったとしても、

全体で見た場合埋もれてしまう可能性が高いのではないだろうか? と推察できる為なのです。

最近のそのようなコンテスト総評にて、

「模型店に飾ってある上手い作品ばかりだ」というような風評が出る現状は、

その埋もれてしまう作品が大多数を占めているが故に、皮肉を言わざるを得ない状況が続いているからではないでしょうか?



というわけで、僕が考える「ただ上手い作品」とならないための策は、

個性的であること。

一番手っ取り早いのは「今まで見たことも無いような塗装法」でしょう。

間近で現物のその凄さ、というものを見た分だけ言えます。

違う。とにかく違う、と。

ですが、頭の固い僕には新しい塗装法が考えつかなかったので、

僕なりに結論を出したのが「誰も考えもしないモチーフ」です。

塗装法そのものは基本の応用でしかなくても、モチーフが違えば全く違った印象を与えることが出来ると思うんです。

自分で言うのもなんですが、良い意味でも悪い意味でも「違う」ものをカタチに出来た自信があります。

あと他に、時代に、流行りにそぐわない塗装法。

審査員の好みにも多分によるでしょうが、流れに沿っていない分、他の作品とは一線を画す存在感があります。

例えば派手なバトルダメージ、ウェザリング、ミリタリーチックな仕上げ等、

一番最初のガンプラブーム時に流行った(らしい)塗り方は、今風の「キレイな仕上げ」を見なれた目には、

とんでもないインパクトと、存在感を与えてくれます。

僕はこの手はあまり得意な方ではないので詳しく書けないのですが、

上記例の中でも特に「ウェザリング」という表現は、その作者の理論や想像といったものを反映する塗装法だと思いますので、

「個性表現」としては最大の効果を発揮するものの一つなのではないでしょうか?



以上「ただ上手いだけの作品」にならぬ為に、

という考え方の元つらつらと書いてきましたが、

別に流行に乗るな、ベーシックに塗るな、と言いたいわけではありません。

ただ、その塗り方だと「圧倒的に上手い塗装」でないと、まず勝てないと思うのです。

というわけで、その圧倒的、が出来ない人間が考えた事項であることをご理解下さい。



塗装の比重
時間をかけて塗り込む

くどいようですが、それまでの工程を生かすも殺すも塗装次第です。

つまり、どれだけ凄まじい超絶技巧の工作をしたとしても、塗装で失敗したら、苦労相応の評価は得られないということです。

自分も表面処理に追われ、一晩塗りしかできず、悔しい思いをしたことは何度もあります。

逆に、納得行くまで塗りこんだ作品と言うのは、満足のゆく結果になることが多いです。



勝つためには全体製作時間に対し、塗装の比重を重くしてみてください。

絶対に効果があると断言致しましょう。

塗装とは、全てなのですから。


01.そのコンテストを考察する 02.制作構想 03.明確な工作 04.丁寧な仕上げ

05.塗装とは全てである 06.ベースの意義 07.輸送及び展示戦略 08.反省と次回の計画 09.最後に


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