ベースの意義

コンテストで勝つために、ベースは必須要素だと思います。

ベースの有無。ただそれだけでコンテストで並んだ時に、大きな違いが生まれるのは間違い無いことです。

ここでは、そのベースに関して色々考察したものを書いていこうと思います。



飾り台としてのベース
もっともシンプル且つポピュラー

ベースというモノの基本定義は、まず「飾り台」であることではないでしょうか。

そういう意味では「飾る」=「少しでも立派に見せよう」、という意義が含まれていると考えられます。

コンテストにおいて立派に見せる、ということはくどいようですが大きく見せること、目立つこと、目を引くことです。

試しに想像してみてください。

全く同じような感じのする作品が二つ並んでいて、一方にはベースが有り、もう一方にはベースが無かった場合を。

……言わずもがな、ベースの有る方にあなたの視線が向けられることと思います。

この場合、ベースとして機能していればなんでもいいことになるので、

買って来たままのデコパージュでも問題無いことになります。

極論ですが、100円均一のまな板やコルク板そのまんまでもOKなんです。

冗談抜きでたったの「100円」で評価が大きく変わるかもしれない、ということをご理解ください。



引き立てるベース
飾り台であると共に、引き立てる要素とする

先ほどの買ってきたばかりのデコパージュがここに1枚あったとしましょう。

もちろん買ってきたままですから、木の色がしっかり出ています。だって木材ですから。

そして、とある配色の作品が、そのデコパージュの上に乗せられたとしましょう。

その時もしも、その作品の色と、木の色が合わなかった場合、どんな印象を持たれるでしょうか?

……結論からいえば安っぽい感じがすると思います。

取ってつけた感、とでも言いましょうか、そんなに安い板であるわけでもないのに、

安物に見えてしまうのです。最悪の場合、作品そのものにも悪影響を与えかねません。

そんな場合は、飾り台そのものに色をつけるべきだと思います。

作品を引き立てることが可能な、作品に似合った色を塗るんです。

ベースに色をつける方法もたくさんありますが、

木材のベースならオイルステイン等のニスで仕上げれば、結構高級感が出ますし、

ただの缶スプレーなんかで色をブワーっと塗ってもOKだと思います。

他にも方法はあるでしょうが、どれにせよ一番大事なことは、

「ベースとは作品を引き立てる飾り台である」、と意識することです。



世界観を演出するベース
ベースも立派な作品である

今現在の僕が考える、一番勝てる気がするベース。

それが「世界観を演出するベース」です。

かなり抽象的な物言いですが、詰まるところその作品と「一体化」していれば、それに該当するのではないか、

と僕は考えています。

「一体化」とは、間違っても作品とベースが軸線を通して固定されているという意味ではありません。

作品の背景、世界観、雰囲気、そういったものを助長する、という意味での一体化です。



具体例として僕の多用する方法ですが、とりあえず地面を作ります。

プラモをあまり知らない方が見れば「これって、ジオラマっていうんだよね?」、と言いそうなものを作るんです。

自分の意識としてはこれはあくまでベースであり、頑張ってもまだビネットの範疇である。

という感覚でやってます。

地面を作る分手間がかかり、コンテスト締切り間際では少々辛い時もありますが、

相応の効果があることはお約束致します。



ガレージキット的な手法に属すると思いますが、

ベースそのものを造型する、というのは凄く効果があると思います。

演出する、という意味では正に思いのままのカタチにできるという点で、最も理想的なのではないでしょうか。

ただ、作品に時間を割き、そしてまたベースにも時間を割く、ということが可能な方に限られる手法でしょう。

僕には時間的余裕とそういう造形力が無いので、絶対に真似できません。



アート的な手法として、縦置きベースというのもやり様によっては世界観を演出できます。

宇宙をイメージして……とか、空中をイメージして……だとか、

そういったガンダムらしいもの以外に、本当に絵を切り取ったような感じがするベースと作品、

というのはアート的に世界観を演出していると思います。

正にセンスと発想の世界ですね。こちらも僕にはとても真似できません。



上記以外にも、鏡を使って作品の下部や裏面を見せるという手法や、

作品を支持棒等で浮かせて少しでも大きく見せるといった手法も、組み合わせや使い方次第で、

「表現・演出」という名の作品となりえる、と言えるでしょう。

ベースも、表現というか自己主張をしている、という点で、

それはその作品のベースという脇役でありながら、その作品の一部もしくはそのものになっているのだと思います。


01.そのコンテストを考察する 02.制作構想 03.明確な工作 04.丁寧な仕上げ

05.塗装とは全てである 06.ベースの意義 07.輸送及び展示戦略 08.反省と次回の計画 09.最後に


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