輸送及び展示戦略

並べられるべきものが完成したら、いよいよコンテストの地へ。

ここでは完成後からコンテストで展示されるまでの雑多をまとめてみます。



輸送中の注意
作品とはデリケートなものである

完成した作品というものは、手が込んでいればいるほど、往々にして脆いものです。

特に僕のような本人しか触れないようなものを作る人間にとっては、非常に重要な問題となります。



〜梱包について〜

まずは作品をしっかりと固定できるように、サイズに見合った箱や容器を用意しましょう。

僕が愛用しているのは10cm×12cm×21cm程度の100円均一で買ってきた容器です。もちろん材質はポリプロピレン。

普通のMGサイズなら間違い無くジャストサイズで入り、蓋もしっかり固定可能なモノが宜しいかと。

あと、ジャストサイズということは、容器の中でズレることも少なくて好都合。

もちろん他のサイズの作品には、それ相応の容器を用意することをお勧めします。

容器の次は、作品の保護について。正に梱包作業のメインです。

理想論だけを言うなら、ガラス食器を包むように出来る限りパーツを分解して別個に包むのが良いとは思いますが、

そういうことが出来ない場合(普通はできっこない)は、

完成状態から最小限のパーツ分解に留めて、

タオルやエアキャップ(エアクッションとかそんな名称。通称プチプチ)で包んで保護します。

あと、非常に破損し易いパーツの代名詞として頭部のアンテナがありますが、

ガシャポンカプセルにティッシュで包んだ頭部を入れることで、かなりの安全が保証されます。

このアイデアはG-st常連であるランバラルくんのアイデアで、僕も勝手に使わせて頂いてます。ありがとうございます。



〜輸送手段〜

正直な話、車で現地まで輸送するのが一番良いと思います。

安全運転で、ゆっくり丁寧なブレーキング。作品を守るために重要なことです。

ちなみにマイカー輸送では、状況が許すのならば、いきなり自宅で展示状態に組み立て完了し、

その上で直接展示場所へ運び込むと言う手もあります。しかしながら本当に状況を選ぶ特異な手段と言えるでしょう。



交通機関を利用される場合は、とえりあえず歩行時に作品に障害を加えないことが前提となるでしょう。

冗談抜きで、走るのは厳禁。そういう意味で時間的見積もりには余裕を持つべきです。



他にも自転車や、現地まで特急便で送る(多分嫌がられます)など、輸送手段は山ほどありますが、

どれに関しても意識・実行すべきことは、自分の作品は、自分の手で安全に運ぶ。

ただそれだけです。

余談ですが、万が一を考えて瞬間接着剤の持参を推奨します。



展示戦略
展示の仕方も要素である

無事、目的地に辿り着いたら、今度は展示について考えてみましょう。

「そのコンテストを考察する」でも製作前の考察として多少触れましたが、

こちらでは殊更「良く」見える位置について書きます。



〜メインカットで見える位置〜

この作品は、煽りと俯瞰、どちらが格好良く見えるのか。

製作中に意図して作られた作品なら、尚のことその意図したアングルから見てもらえない場合は悲惨です。

何しろ一番大事なところが、作品の見せ場が見えないのですから。

そういう意味ではどこから見ても、という作りがベストですが、

状況によっては意図したアングル位置が勝敗を分けることもある、というのは心に留めておいてください。



〜ガラスケース全体から見る〜

お店のコンテストでありがちなことですが、

どれだけ出来が良い作品でも、ケースの隅や足元最下段にあるような場合には、「良く」見えないことが多いです。

これはもう心理的なものですから、モデラーサイドからはどうしようもないのもまた事実。

ですが個人経営の模型店の場合、頼み込めば位置指定及び位置変更も可能な場合がありますので、

是非店員さんや店長さんと思しき方に尋ねてみてください。なんとかなる時もあります。

逆に、お店の都合により、どうにもならない時もあります。ご了承ください。



解説文を書く
あるならばこれも要素となる

全国レベルのコンテストでなら間違い無く存在し、

模型店レベルでもある場合も多い、意外と重要な要素と考えられるのがアピール文、解説文です。



〜書くスペースが広域な場合〜

全国レベルでは大体文字制限がありますが、

それはそれでアピールの戦略となります。

別に文章が上手いほうが良い、とかそういうことではなく、

展示してある作品以外で、実際に言葉で感じることができる唯一の要素であるが故、アピールの場としては重要だと言えるでしょう。

具体的にした改造を全部書くのも良いでしょうが、

審査員に何を伝えたいのか、という事項を伝えてこその解説文なのだと思います。

作品で伝わらないかも……という危惧されるような事項なら尚のこと、解説してこそ存在意義があるはずです。

あと個人的な手段ですが、僕はかなり字がヘタな人間なので、wordで打ったものをプリントアウトしています。



〜一言二言のみの場合〜

模型店の場合はだいたい一言二言しか書けない場合が多いのですが、

可能な限り「これだけやったんだ!」

というのを伝えるべく、具体的にいじった部分・苦労した点等を記述するべきだと思います。

よく「ノーコメント」というような作品も見うけられますが、

あれは本当にもったいない。

僕からすれば入賞意思が無い、とさえ見受けられます。

他の作品がどう書いていようと、とにかく書くべきことを書く。

それがアピール文というものなのではないでしょうか?


01.そのコンテストを考察する 02.制作構想 03.明確な工作 04.丁寧な仕上げ

05.塗装とは全てである 06.ベースの意義 07.輸送及び展示戦略 08.反省と次回の計画 09.最後に


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