リクルート哀戦士・就活戦記<中編>

最前線1
〜グループ面接〜

筆記試験を無事勝ち抜けば、いよいよ戦場も戦場らしくなる。

ついに最前線、グループ面接へと参戦することとなるのだ。

このグループ面接は、面接としての第一関門。

つまり面接官にとっては、全く反りが合わなさそうな学生を「落とす」ための面接だったり、

選考過程が短い企業の場合は、「選び抜く」面接になる。

基本的に面接官は1人ないし2人。対して迎え撃つ学生は4人〜10人程度。

この中から多い場合はほとんど通るし、少ない場合はただ一人のみが勝ち残ることができる。

グループ面接というのは「比較の面接」だとよく言われるが、この戦場で勝ち残ることが出来る人間は、

概してこのグループの中で比較した中で、「こいつが一番将来性がある」とか、

「彼が一番元気だった」とか、そういう基準で選ばれるらしい。

逆に落とされる人間は、「目立たなかった」とか「暗かった」とかそんな理由なのではないだろうか。



面接の細かい持論については他の事項に記すが、ここでは「初面接」としてのことを少々。

初めての面接、もしくはまだ面接についての経験が浅い場合、相当緊張するものである。

席に座って、隣の人が喋ってるのを聞き、『あーネタ被った』なんて心配が出てきたらもう大変である。

あとはもう口は回らないわ、頭真っ白だわ、体中ガチガチ、冷や汗タラタラだわでもういいとこなし。

多少喋ることが得意な人間でも、強心臓と度胸、アドリブの出来る柔軟性が天性で備わっていなければ、

おそらく落ちるだろう。そして備わってないが故に、僕は見事に落ちた。

僕の個人的な結論から言えば、最初の面接はまず落ちると考えている(そうでないと自分が納得出来ない)。

しかし逆説的にこう考えることはできないだろうか。

「本命企業は後にして、先に落ちてもいいような企業で面接を受けて経験を重ねる」

この意見に賛同し、面接は何よりも数をこなして経験を積むことが重要なポイントだと言う内定者は意外と多かった。

とりあえず初めての面接には、割り切りとスケジュールの意図的な調整が必要だと考える。






最前線2
〜ディスカッション〜

こちらの戦場ではグループ面接とはまた違う戦場が用意されている。

ディスカッション、もしくはディベートである。

簡単にいえば企業側が何かお題を出し、それにランダムに組み合わされた学生たちのグループで論議させ、

その様子を垣間見、選考するというものである。

結論だけ言ってしまえば、多分立候補による議長をして上手にまとめ上げた人間は通る。

今の世の中では特に、リーダーシップという能力が強く求められているからだ。

これがこなせる事こそ、きっとこの戦場でのアピールとしては最大級のものだろう。

しかしながらそれだけが通過の条件ではないはずだ。鋭い視点で意見を言える人間や、

乱れた場を皆が納得いくように沈めるのも、立派な条件のはずである。

どちらにせよこの戦場では「与えられた役割を120%発揮する」のが大事なようだ。

ちなみに僕はかなり度が過ぎたことをして、見事に落ちた経験がある。

やはり論議が白熱すると、あらぬ方向へ行きがちなこの性格はかなり抑えておく必要があったようである。


上記2つの最前線は順番が違ったり、はたまた一方もしくはどちらも無かったりもする。

この後の過程にもそういうことはよくあるので、改めて企業というものの違いや、

独自性などを理解していただければ幸いである。




死闘
〜個人面接〜

僕個人は、グループよりこちらのが好きだった。

自分のペースさえ掴めれば、そんなに緊張することもなかったから。

さてこの個人面接、一次面接しかないところもあれば、二次・三次と延々と続いていく企業もある。

どちらにせよ就活戦争最大の難関にして、真っ向勝負、真剣勝負。しかも刃を交えるのも幾度かに及ぶ。

「死闘」という表現がよく似合うと思う。



個人面接というのは基本的に10分や15分程度の短い時間の中で、いかに「自分」という商品を伝えるかがキーとなる。

これは本当に当たり前のことだが、実際にこなそうとしてみると恐ろしく難しい。

先ほど述べたグループ面接の項にも書いたが、面接は数をこなせば自然とこのことはカバーできるようになる。

やはり慣れと経験は何事にも代え難いのだ。

だが、それがこなせたとしても突破できるかどうかは全く分からない。

なぜならば、自分は上手く受け答えできた、と思っても面接官がそう思っているかどうかは分からないからである。

どう思われていたかは、合否の結果のみぞ伝えることになるであろう。

通ればまた次の厳しい戦場が待っているし、通らなければまた他の鉄火場であろう戦場を探しに撤退するしかない。

シビアである。





具体策、いやあくまで僕個人の「最初の面接」を語らせてもらおう。

実はグループでの経験談なので本来は違うのだが、あまりにショックが大きかったため、この項にて別個で書く。



必ず面接で聞かれること。それは、いわずもがな「自己PR」であり、「志望動機」である。

この二つはどこへ行っても聞かれることだが、それに答えるために根源とする部分は一緒である。

その根源部分とは、「自己分析」。

就職活動をする上で、嫌になるくらい耳にしてしまう単語であるが、

今考えると、これが全てだったんだと思う。



就活を始めた頃、だいたいこんなもんだろう、と自分自身を分かった気でいた。

しかしそれは履歴書を書く段階で脆くも崩れ去る。

言葉にするとありがちな言葉にしかならないのだ。

もちろん自分のことであることには間違いはないのだが、それでもその「程度」しか書けないという事実は、

そのまま面接でその程度しか自分を表現できない、という事実に直結する。

一応いろんな本を参考に、自分の過去の経験を照らし合わせて書いてみた。

だが、どうもパッとしない。無論、落ちる。

僕は、負けたんだ。



休戦

上記のようなことを繰り返していると、自分がわからなくなる。冗談ではない。

面接というものを反芻してみる。その面接に持参した自己PRから考える。

『結局自分ってなんなのさ』

自己PRが否定されると、自分自身のそれまでの人生が全て否定されたような気になってくる。

上手く表現できなかっただけなのかもしれないのに、段々気が滅入ってくる。

それでいてGWが近づく頃、頼みもしないのに各社一斉に採用活動の谷間がやってくる。

束の間の、戦士の休息。

だが、それは決してプラスの方向には向かってくれなかった。

改めて毎日のように活動していた分だけ、この4月はなんでこんなに長く感じるんだろうと思った分だけ、

それまでの疑問が、今まで目を背けていた疑問がいたる所から噴出してくる。

しかも全て、答えを出すことが出来ない。

正直な話、思い出したくないぐらいに自暴自棄になっていたと思う。

どこでもいいから受かってくれ、そんな自分らしくない言葉をいくつも吐いた。

僕を傍目に見ていた近しい人間は、さぞ痛々しいと感じていたのではないだろうか。

「結論」を求めて、僕は闇の中を彷徨った。


そんな時だった。

既にもう「内定を頂いた」友と、飲む機会があった。

それまでのそんな状況の僕だから、愚痴の吐きっぷりは尋常ではなかったと思う。

だが、彼は全てを聞いてくれた上で諭す様にこう言った。

「今のお前では一個も受からん」

このショックは今でも鮮明に覚えている。

どちらにせよ、今までと全く違う気持ちで戦場に立つことを決意したのは、この時だったと思う。

既に何かを掴んだ彼の言葉は、僕の就活最大のターニングポイントであることは間違いない。


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