乾燥後、合わせ目を消す!


…………前のページから1週間後。

長:ようやく長いコト待って1週間が経ったわけだけど、宿題やってきた?

M:一応やって来たよ。

長:どりどり……あースミ入りきってない〜、ここゲート処理終わってない〜

  (延々と小突き回す)

M:うう……キビシ〜


長:さて、これが1週間経って乾燥したパーツだ。

  ためしにこの「ムニュ」の部分を触ってみ。

M:ツンツン。おおっ、固いねー

長:カチカチだろ?つまりこれが完全乾燥なんだよ。

基本通り刃を垂直に
方向は一定で
長:固まったのが確認できたら次はiいよいよ消してみよう。

  いきなり鉄ヤスリでガシガシ削っちゃう人もいるけど、

  初心者向けとは思えないんだなあ。だからデザインナイフ、カンナがけでやってみよう!

M:カンナがけ、ってこうだったよね、カリカリカリ……

長:なかなかいいぞ。

  ちなみに、完全乾燥してないと、削った感じに「粘り」を感じるかもしれない。

  そういうことではカリカリ、って乾いた音がするのは完全乾燥の証拠なんだな。

やり足りないかなあ、
ってぐらいがベストです
M:ちゃんと削れてるのかなぁ〜?ちょっと見てよ、長瀬君。

長:ほほう。まあ削りきれてないけど、Mっちゃんならこんなもんか。

  とりあえずコツというか、なんというか、削り過ぎないのがキモかな。

M:やりすぎちゃうとどうなるの?

長:ナイフの通った分だけ傷だらけになって、修正困難になる。

  何事もやりすぎは厳禁、ってことだね。

M:はーい


長:さてお次は、表面仕上げとしてサンドペーパーをかけよう。

  今回も400番ペーパーで十分。こうやって円を描くようにヤスってみよう。

M:こうやって二つ折りにして、力を加え過ぎないようにやるんだっけ?

長:……ちょっと力いれなさ過ぎかなあ(笑)

  もっとこう、指の腹の部分を使ってだなあ、面にまんべんなくヤスっていくんだよ。

M:ぐるぐる〜(結構むずかしいなぁ)

長:どうよ?完全に合わせ目が消えただろう?

M:す、すごいね……もともと合わせ目なんて無かったみたいだ。

長:そうやね。この接着の意味を一番証明している瞬間かも。

  たとえめんどくさい接着作業、消す作業でも、

  「合わせ目消した!」っていう実感があるから、やってよかったって思うやね。

M:う〜ん、でもコレ、本当にぼくが消したの?

長:でなきゃ誰がやったのさ(笑)

M:それもそうだね。消せた消せた!!わーいわーい

長:(……なんで踊り出すんだ?)(注:本当のことです)

  くだらないことやってないで、さっさと他のパーツをやるッ!

M:ほーい



M:大体終わったと思うけど、どうかなあ?

長:どれどれ。ってやっぱり出来なかったか。

M:何が? あぁーここ、ここかあ。

  どうやってやるのかなあ、って思ったんだけど、分からなかったら忘れてた。

長:いや、まあ、……多分やれないと予想してたから驚きもしないんだけどね(笑)

  ここはね、ちょっとしたコツがいるんだな。

長:こういう奥まったところは、見えにくいしやりにくい。何より忘れられやすい。

  だから、尚のこと処理するしないで、全然変わってくるんだな。

M:見えないところはやらなくていいんじゃなかったの?

長:そういうところは君も覚えてるんだなあ(笑)

  ここはね、見えないじゃなくて、「角度によっては見えにくい」場所。

  逆にいえば「角度によっては目についてしまう」ということなんだ。ハッキリ言って残ってるとみっともない。

M:それじゃあ、どうやってやるの?こんなやりにくいところを。

長:こうやってやるの。まずナイフでこういう方向からグッ、と刃をいれる。

  となりの面を削らないように気をつけて、グッとね。感覚的には隣の面に対して寝かせて、って感じ。

M:これはそんなに難しくないね。

長:こっちも同じことを、方向を変えてやるんだ。今度は狭くてやりにくいから気をつけて。

M:な、なんか傷がつきそうで怖いね…

長:あまり力を入れ過ぎなきゃそうはならないはずだよ。角度さえ気をつければダイジョーブ。

M:ザクッ……ふーっ

長:両角度から一回ずつ刃を入れると、その「むにゅ」の部分が取れやすくなるから、

  ちょいちょいととってやろう。

M:おお、とれた!

長:このあとペーパーで処理してやればOKなんだけど、やりにくいだろうから、

  ペーパーそのものの弾力というか、固さを利用してやってみて。

  あ、念のため新しいペーパーに交換した方がイイかな。その方が確実じゃん。

長:ちなみにこういう部分はね、

  昔、小学校とかで使ってた彫刻刀セットの「三角刀」でやるとやりやすいよ。押入れに眠ってない?

M:あ〜それ弟が学校で使ってるわ。

長:それは残念だなぁ。でもあると便利、ってな程度だからね。このやり方でやって頂戴。

M:へい




長:ここまだやってねえぞぉ〜

M:あっ、こんなところにもあったんだ。

  でもすごく難しそうなんだけど。

長:確かに難しいかもしれんな。でも、さっきやったのと同じ方法でできるぞ。

  やってみー
M:ざくっ、ザくっさてペーパーで仕上げ、って……どう考えてもペーパーが入らないよぉ

  どーしよー長瀬くーん。

長:そんな時はだね、これまた先ほど同様にペーパーそのものの固さを使うんだ。

  こうやってペーパー二つ折りを、立ててエッジを利用するようにして磨く。

  ペーパーってのは変幻自在といっても過言じゃないから、アイデア次第でどんなところもキレイに出きるよ。

M:へぇー。ってそれでもかなり難しいんですけど…………

長:とにかく頑張れ(笑)



長:さて次は接着によって消えてしまったモールドを復活させてみよう。

  ゴッグの場合、このスネとソールの関節部分だけだな。

M:こんなとこ、どーやって元に戻すの?難しそ〜

長:確かにちょっと難しいかな。でもまあ、ナイフ一本でいけるね。

  こうやって、ナイフの刃をモールドに添って押しこむ。

  そうするとモールドが消えた部分に細いラインができるんだ。
M:でもこれじゃあ、太さが違うよ、深さも。

長:それをなんとかするのに、こうやって軽くなぞって(ケガく、ともいいます)調節するんだ。

  ヨレないよう、ズレないように注意してね。

M:やっぱりむずかしい……



だいたいのパーツの合わせ目を消したと思われたMっちゃん。

だが、そうそううまく行くわきゃないのである。彼の場合(笑)




なんか元々このパーツは
合いがよろしくないようですな
長:あーぁ、ここ。見てみぃ

M:何が?あーっ!消えてない!

 ゴシゴシ……消えないよーどーしよー長瀬く〜ん!?

長:これはどれだけペーパーかけてもカンナ削りしても無駄だね。

  残念だがあきらめたまえ、Mっちゃん。

M:えーどうしてぇ?なんとかしてよー長瀬君。

長:……僕はドラえ●んじゃないんだぞ(笑)

  まあいい。なんで消せないかというとだな、接着が完璧に出来てないんだよ。

  多分ね、接着剤を付け忘れたか、塗布量が足りなかったんじゃないかな。

M:そうかも。うーん。

長:まあ、それだけ接着が重要ってこと。あれだけガミガミ言った理由がわかったかい?

M:こういうことだったのかあ〜!


前途多難の末、やっとのことおしまいのつや消しスプレー!!〜続く〜

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