吠えろ!ミソレンジャー

 


西暦…200X。地球から五人の子供がさらわれた…。


 そして20年後…。


 ちゃらーっちゃちゃ(SE) 


 「発酵戦隊 ミソレンジャー!!」


 ずばばばばばーーーーーーん


 

 


 
 
レッド……それは、熱きリーダー。


 
レッド……それは、子供達の永遠の憧れ。


 
レッド……それは、サー○クルKのイメージカラー。


 
レッド……現在放映中のはタ○ムファイヤーなるものも出てくる。


 
レッド……それは赤味噌の赤…。


 

 

 


 青瀬 善太郎(ブルー)は頭を抱えていた。なぜか?


 チーム内で、争いが起こってしまったからだ。


 世界の平和を守る我々が平和を壊してどうする? 

 悪の組織「オタフク朝ブラックソース帝国」にやられてしまうぞ。


 「二人とも、やめないか。こんな時に奴らが責めてきたらどうするんだ」


 「だってぇ、こいつが悪いんだもん!」


 そう言うと、チーム内で紅一点の鏡大平 百代は指差した。


 「オレか? い〜や、お前の方が悪いだろう!」


 横川 久夫(イエロー)が怒鳴り返した。


 「なんでそう喧嘩ごしになるんだよ…。まぁ、俺に説明してくれよ」



 そもそもの発端は昨晩のメニューにあるらしい。


 「ええーっと、昨日の晩飯は何食ったっけな…エビフライじゃないか? これのどこがいけないんだ?」


 善太郎は困り顔で言った。


 「それがいけないんじゃないの!

 エビフライの中身。このエビね、ブラックタイガーのはずなのに、なんで中身は白いのか?

 って、久夫が言ったの。それで私が一生懸命説明したらこうなった、ってワケ」


 百代が説明した。端正な顔立ちのわりに、女っ気のない子である。


 しかし、久夫も黙っていられない。


 「ブラックなんだろ? なんで白身なんだよー。オレはなっとくいかん!」


 善太郎がゆっくりと小声で説明した。懇切丁寧に。


 「あのなあ…久夫。エビはな、実はな…あれがこうで…こうなって………」


 「――そーか、背中が丸まるのはこういう秘密があったのか! 知らなかったぜ!」


 イエロー。何故だか頭に線が一本足りないのが一般のようである。

 

 



 舞台はかわって、ブラックソース帝国の地下秘密基地。


 暗い目の照明が、電気代節約を物語っている。


 「今回の作戦はこれで良いですかな? 女王様…」


 鋭い目つきの男が壇上に向かってつぶやく…。


 「くそう、ミソレンジャーめ。いつもいつも我々に苦渋を舐めさせよってからに! いつかソースまみれにしてくれるわ!」


 「あのう…訊いていらっしゃいますか? 女王陛下」


 「ああ、すまん。最近自分の世界に浸ることが多くなってしまってのお」


 女王ソース=カゴメ=コイクチ十五世である。


 彼女の夫(婿養子)ソース=オタフク=オコノミ三世が死んですでに3年が経った。彼女はその後、帝国法にのっとり、女帝となったのだが、もういい加減、引退がささやかれる年になってしまった。


 彼女は引退したくなかったがために、地球侵攻を開始したのである。


 ちなみに、地球征服は銀河系のどこの星もなし得なかった偉業のため、成功すれば、ソース星も銀河系の上場一部に格上げされるのである。


 「まあいい。頼んだぞ。胡将 クシーカツ!」


 「はっ! 必ずやミソレンジャーを血祭りにあげて御覧に入れましょう…」

 



 「ああ、いけないことを聞いてしまいました…。どうしましょう」


 ブラックソース帝国の秘密基地に、たまたまとんかつソースを買いに来ていたミソグリーン……もとい、緑谷 勝人はとんでもない情報を仕入れてしまった。


 勝人の役割は主に情報収集と、メカニックである。はかなげな美少年がするにはうってつけの仕事、らしい。


 「とりあえずみんなに知らせましょう。よーし、このミソデータリンカをセットして…」


 説明しよう! ミソデータリンカとは、コンピューターを利用し、ミソレンジャーベースへ情報を送ることができる、スペシャルツールである!


 「ミンナアブナイ ヤツラガネラッテイル」

 

 



 「あ、勝人からメールが来てる。……どういうこと? どこねらってるんだろ?」


 百代が困惑している。


 「いつもこうなんだよな、勝人は。情報仕入れてくるのはいいんだけどよ、いつも詰めが甘いんだよな。それにしてもあいつ、どこから情報仕入れてくるんだ?」


 勝人がとんかつにソースをかけて食べるのは秘密である。彼らにゼッタイに知らせないように。


 


 胡将 クシーカツは手始めににっくきミソレンジャーの愛する、永○園のインスタント味噌汁工場に目をつけた。


 「よし! ここの工場をのっとり、ブラックソース帝国の製品を作るのだ」


 「かしこまりました、クシーカツ様……」


 「うむ、行くがよい! 超肉人カツメンーチ!」



 ミソレンジャーの三人はなんとなくコンビニに来ていた。


 「やっぱりあれだな、決戦を前に腹ごしらえというのか…な? 久夫」


 「何でオレに振るんだよ、善太郎」


 といいつつ、久夫はたくさんのお弁当を買い物カゴに詰めこんでいる。食いしん坊、というのもイエローの基本である。


 「ま、ちゃんと栄養のバランス考えてればいいんじゃない?」


 百代もサンドイッチをいくつか抱えている。


 善太郎はおでんコーナーへと向かって行った。


 「ま、こんなとこじゃない?」


 三人はそのままレジへ向かった。

 



 超肉人カツメンーチはソース銃を手に工場の警備員をソースまみれにして中へとずんずん侵入して行く。


 ぴぴっ! 無線が入ってきた。


 『カツメンーチ、目標はあくまでミソレンジャーの撃破である。工場占拠は前段階にすぎぬ。お前なら、ソース地獄は簡単であろう。健闘を祈る』


 「アンダースタッド!」


 カツメンーチは足を休めず、中枢部へと進入して行った…。

 



 「あ! ひるげ買ってくるの忘れてた。オレいってくるわ!」


 「おーい、久夫! もう行っちまいやがった。あいつ、ご飯には味噌汁、欠かしたことないもんな。几帳面な奴」


 「あーいうとこだけ几帳面でもねえ…」


 残された二人は、公園のベンチで静かにまた食べ始めた。


 「ああ、このカツサンド、お味噌が入ってない!」


 そんなものあるか!


 「おでんには味噌付いてるからな。百代、余った味噌かけるか?」


 「おでんの味噌……?」


 普通かけません!


 「やってみようかな?」


 ええっ?

 



 「みなさんはどこへ行かれたのでしょうか? せっかく帰ってきたのに」


 勝人は買い物袋をミソレンジャーベースの台所の引出しに、自分の買ってきた物を隠した。


 「ああ、今はお昼時でしたね。きっとあの公園で皆さん食べていらっしゃるのでしょう。では、僕もお昼にします」


 勝人は油を温めはじめる。温度設定一八〇度。からっと揚がる温度である。


 「やっぱりお昼はとんかつですね。ああでも、コロッケもいいですね。串かつも捨てがたいです…。ソースはいろんなものにあうので困ってしまいますね…」


 そう呟きながら、キャベツを出して千切りを始めた。


 なるほど、付け合せとしてはどれでも正しい。しかし、串かつだと、キャベツが刺せなくなるぞ!勝人。

 

 



 永○園の工場が占拠されるのに、時間はそうかからなった。なにしろソース銃の威力は凄まじく、警備員も、


 「いんとぅーなーらー!」


 と叫ぶヒマさえなかったのである。


 胡将 クシーカツが工場の中に様子を身に来た時には、もうすでに工場内部が、ソース星の警備態勢になっていた。一応、技術は進んでいるようである。


 「おお、クシーカツ様。やっとおいでになられましたか」


 「私の到着より、五分も早く任務完了するとはな。さすがカツメンーチ。日○のUFOものびてしまうな。それはそうと、そろそろミソレンジャーをおびき寄せるとするか」


 「はっ!」

 



 それからの時間、日本中のお茶の間にクシーカツがドアップで映っていた。


 なんだこのブサイクなキグルミは?とか、費用削減するな、とか思わないで頂きたい。

 ただ、ソース帝国が日本中の電波ジャックに成功しただけである。


 『我々はオタフク朝ソース帝国である。地球征服のため、はるばる三億光年の遠くからやってきた』


 「あー、またやってるよ。ソースのヤツラ。ご苦労さんだね」


 「そうだね」


 街頭の大きなディスプレイを見た人々は口々にそう言った。


 三十分後。


 『……とにかく、我々はミソレンジャーとの直接対決を望む。これからも味噌汁が飲みたかったら、永○園の工場へくるのだ!』

 

 



 「そーか、今日は永谷○か。毎度毎度よくご苦労さんだなあ。この前はマルコメ君をさらったんだっけ?」


 「まあ、いっちょもんでやりますか」


 善太郎と、久夫が指をポキポキならしながら言った。


 「そんなになめてていいの? ウチら今三人だよ」


 「忘れてた」


 二人は声をそろえて言った。

 



 工場に一番始めについたのは、勝人だった。昼ご飯も食べ終わって、ゆっくりしているところへ、例の放送を目にしたのである。


 ちなみに、メニューはクリームコロッケであった。


 「おじゃましまーす。どなたかいらっしゃいませんかー?」


 なんで敵のアジトに踏み込むのに挨拶する必要があるのかは知らないが、勝人の場合、育ちがいいので、しなければならないのだ(?)


 「勝手に入りますよー。うっ! あなたがたは!」



 他の三人がアジトについた頃、いや、アジトであったところにはもう、すでに何も残っていなかった。


 勝人が戦闘員に囲まれてピンチになってしまったおり、勝人はとっさにミソグリーンに変身。ミソグレードランチャーを連発(乱発ともいう)し、戦闘員だけでなく、工場でさえも破壊し尽くしてしまったのである。


 「おーい、勝人! 無事かー?」


 風で黒い煙が少しづつ消えていく。


 その中に、善太郎は人の姿を見た。間違いなく勝人、だったはずである。


 「勝人! 勝人! 大丈夫か?」


 その当の本人は、視点が定まっていない。相当なショックで、放心状態になってしまっているようだ。


 「ちょいと、荒療治だが……」


 久夫の右腕が勝人に襲い掛かる!


 「バーン…ナッ、クル!」


 ごおおおおおおおおっ 
ぱしっ


 「何?」


 なんと、意識のないはずの勝人が久夫のパンチを受けとめたのだ!


 「…僕にかまわないで下さい…」


 ボソッと勝人が呟く。


 その瞬間、ミソグリーンの体から黒いオーラが発せられた!

 

 



 「な、なんだったんだ一体…」


 胡将 クシーカツは瓦礫の山からやっとのことで、這い上がった。


 一瞬にして、占領したはずの工場がなくなってしまったのである。驚かない方が無理というものである。


 「なんだったんでしょうね…クシーカツ様……」


 カツメンーチも体中から緑色の体液が飛び出している。


 グロイ。


 「お前はなんだ! 私は汚いモノは嫌いだぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 そう言ったが最後、クシーカツはカツメンーチに向かって、右ターボライトウェポンを放った。瞬殺。


 ひどい上司である。

 



 「やめろ! 勝人!」


 「いやああああああ! とめてえええ」


 三人が大声を上げて逃げ惑う。


 なんと黒いオーラを身にまとったミソグリーンは、右手に構えたミソグレネードランチャーを仲間であるはずの三人にむかって発射したのである。


 これにはたまらない。


 仕方なく、三人は変身することにした。


 「勝人…、今助けてやるからな。いくぞ! 久夫! 百代!」


 「おう!」


 三人は腕につけたミソGショックを掲げた!


 ピキーン


 説明しよう! ミソGショックとは、彼らに超高速ミソパルスコーティング45キロで雨すっとぶ!を発生させ、変身させるスペシャル変身アイテムである!


 「変身!!!!」


 ぎぃいいいいいんん


 「ミソブルー!」どかーん


 「ミソイエロー!」どかーん


 「ミソホワイト!」どかーん


 …あれっ?ぴんくじゃないの?


 「ああ、ごめんねー。今日は気分的にホワイトなの。わるくないでしょ」


 …あのなあ。

 



 彼らの戦いは熾烈を極めた。方や、グレネードを放ちつづけ、方や、ミソガトリングガンを撃ちまくる。


 説明しよう! ミソガトリングガンとはミソレンジャーのために開発された、味噌の形を模して(?):作ったスペシャルウェポンである!


 ――今のここの状態は戦場というより、地獄と言った方が分かりやすい。


 しかし、決着は一向にみそうもない。


 「くそう! どうすれば勝人を止められるんだ」


 ミソブルーがミソマグナムに持ち替えて言った。


 「あいつが今、いてくれたら」


 ミソイエローがミソバズーカを構えながら言った。


 「なんでいないの……こんなときに」


 ミソホワイトがミソ日本刀を構えて呟く。


 ……お前等ホントに助ける気あんのか?

 



 「く、くそう、私をコケにしよって……」


 ミソレンジャー同士の激しい銃撃戦のとばっちりを受け、額から血を流しながら、逃げ出そうとするクシーカツがいた。


 「同士討ちで死んでも、一応は私の手柄だ。ざまあみろ! ミソレンジャーよ! ワハハはハハハハ」


 ふと、気が付くと、前方に赤い戦士が一人立っていた。


 「あ、あれは…まさか…最後の一人…」


 刹那、赤い戦士はダッシュ近接センターウェポンを決めた。

 

 



 三人は一斉にミソグリーンに飛び掛かっていったのだが、結局やられてしまった。人間体に戻って地面に無惨にも倒れている。


 「何であんなもの持ってるんだよ…勝人……。がくっ」


 なんつっても兵器開発もミソグリーンの本業である。新開発のミソビームナギナタをもって、三人を粉砕した。

 


 説明しよう! ミソビームナギナタとは、ぐるぐる回すことによって攻防一体になる白兵戦用のスペシャルウェポンである!


 「うひゃひゃひゃひゃひゃ!! 僕の前に敵はないんでございますよおおおおおっ!」


 結局、ぶっ壊れてしまったミソグリーンを止めることは誰もできなかったのである……。

 



 「おおっ! あれじゃ。あの緑色のやつをスカウトして来るのじゃ!」


 「……お言葉ですが女王陛下。悪の帝国が敵の手を借りるなど、あまり良い事だとは思いませぬが」


 秘密基地でのソース=カゴメ=コイクチ十五世と座将 フライエビである。


 クシーカツの活躍でも見ようと、TVのチャンネルをひねると、そこはも別世界。とても地球とは思えない。


 そして、ミソグリーンの暴走をみて、我が帝国に欲しい、と素直に思ったのである。


 「……そうよのう。しかし、クシーカツの行方が分からぬ今、動けるのはお主だけじゃ。行ってくれるな? フライエビ」


「了解しました」



 ミソグリーンがミソビームナギナタとグレネードランチャーで街を蹂躙しようと、街の方に足を向けたその時!
 

「あ、あれは! あいつは!」


 倒れている三人が歓喜の声を上げた。


 周りの景色が旧に暗くなってきた。


 そして何故かオーロラがかかる。


 「まさか、あなたがきてしまったのですねぇええ!」


 狂ったミソグリーンでさえ驚きを隠せない。


 そして、あの、崖の上の立っているのは――


 「ミソレッド!!」


 
 ついに登場したミソレッド!彼はいかなる戦士なのか?


 次回、発酵戦隊ミソレンジャー


 「うなれ魂のレッドブレード!」


 ご期待下さい。






 この番組は楽しい時を作る企業 バン○イと御覧の味噌メーカーの提供でお送りしました。




 この後は、仮面ラ○ダーク○ガ





 

 

 

 



















 

 






 って、勝手に終ったら怒るでしょ? 君達。


 まだまだあるよ。安心してね。


 「あれは、あれがミソレッドか……」


 偵察に来ていた座将 フライエビはその雄々しき姿をみて、感嘆した。まだ変身していないのに、その威圧感からレッドだとすぐに分かる。


 ぴきーん


 光り輝くそのサングラス!


 ちゃきーん


 磨き上げられたそのブーツ!


 ごわっ


 その体に着こんだごっついコート!


 えっ?


 頭にかぶったそのコサックハット!


 ――彼はサングラスを投げ捨て、両手を、天を仰ぐように上げた。


 「あいつはミソレッド!又の名を……」


 倒れていた善太郎が嬉々として叫んだ!


 「ミソニコフ=クイタビッチ!!!!!!」

 



「みぃ〜〜〜〜〜そぉ〜〜〜〜」


 ミソニコフはその悩ましいテノールボイスで雄叫びを上げた。


 そして、ミソGショックを掲げる。


 「ヘンシンダ!」


 きゅいーん


 「ミソレッド!」

 

 どかーん


 「ミソニコフさん、ついに現れまくりやがりましたですねですねですねぇぇ! ただじゃおきませんよーーーーーー」


 ミソグリーンの暴走もとんでもないことになっている。


 「トウッ!」


 崖から勢い良く飛び降り、着地する。ミソニコフは着地失敗などしないのだ!


 「ええい! 死んで下さいませませませ〜〜!!」


 そう叫びながら、ミソグリーンはグレネードを放つ!


 「アマイ! グリーン!」


 ミソレッドは腰からミソブラスターを取り出した。


 説明しよう! ――ってもういい? 以下省略。


 ミソレッドの放ったミソブラスター弾がミソグリーンを襲う!


 「うおっ! なんだ? これは」


 ミソブラスター弾の第二武器モードは味噌トリモチ弾である。冬にストーブの上で焼くと香ばしくて、とてもおいしい。


 「オマエハモウコレデウゴケナイ」


 「ちくしょうでございますー。うごけませんですですぅ」


 「モトニモドシテヤル」


 そういうと、ミソレッドは屋台のたこ焼き(六個五百円)を差し出した。


 「クエ」


 「おおっ! このソースは! オタフクの辛口ソース! いただくでございます!」

 



 「す、すごい…。さすがミソニコフ…。一発で勝人を黙らせやがった…」


 なんとか置きあがった久夫はそう呟くしかなかった。


 「そうだな…、やっぱりあいつは凄いよ。ミソニコフ……」


 善太郎も同じく呟いた。


 「あれで赤じゃなかったらなあ……ミソニコフ」


 とても悔しそうに百代が言った。


 「え? なにが?」


 「いや、別に。こっちの話」


 


 やっとのことで、五人が揃ったミソレンジャーに対し、偵察に来ていただけの筈の座将 フライエビが突如現われた!


 「私の名はフライエビ! ここで貴様等を倒せば、(有)から(株)に格上げされるのだ! かかってこい!」


 「なにい?!」


 なんだかよく状況が掴まないまま、ミソレンジャーはまた戦闘態勢に入った。


 「ココハオレガヤル」


 ミソレッドがズンズンフライエビに近づく。


 「貴様が俺の相手か! 相手にとって不足はない! 勝負だ!」

 



 いつのまにか一騎打ちになってしまっている。


 まあ、展開とはいい加減なもので、そんなもんでもいいのであろう。


 そうこう言っている内に、ミソレッドが押され始めてきた。


 「どうだ私のEBIFRYA剣法の味は!!」


 「クッ、ツヨイナ。シカタガナイ」


 そう言うと、ミソレッドはレッドブレードを抜き放った!

 



 
でんでんでんでんでんでんでんでんでん


 ちゃーちゃちゃちゃー


 でんでんでんでんでんでんでんでんでん


                   (♪ レーザーブレードのテーマ)


 赤いその光の刃がフライエビを切り裂く!


 「デアッ!」

 ずしゃあああ


 「ぐおおっ!」


 「トゥ!」

 ぶしゃあああ


 「うおおおおっ!」


 「ミソーレッドォォォフラァァァァッシュッ!」


 「ひいいいいいいいい」

 


 どかーーーーーーん



 「これで勝ったと思うなよーー!」


 フライエビがミソレッドの必殺技で爆発を起こし、息絶えたかに見えたが、お決まりパターンのようで、巨大化を始めた。


 ぎょぎょぎょぎょぎょーーーーーーーーーーーー


 どうやら巨大化光線を送った奴がいたらしい。


 巨大フライエビは街を見境なしに破壊し始めた。


 「くそう! やつめ! 好き勝手にやりやがって!」


 久夫が叫んだ。


 「ヨシ! グランドミソロボ、シュツドウダ!」

 



 ロボに乗る前にもう一度全員で変身する。そして決めポーズ。


 きゅいいいいいいいん


 「ミソレッド!」どかーん


 「ミソブルー!」どかーん


 「ミソイエロー!」どかーん


 「ミソグリーン!」どかーん


 「ミソホワイト!」どかーん


「発酵戦隊 ミソレンジャー!」


 「かっこよくきまったな。ああよかった」


 「ヨクナイ…ヨクナイゾ…」


 「どうしたの? ミソニコフ?」


 「ダメダー。ホワイトハダメダー!」


 ミソレッドの白ミソ嫌いは徹底的だった。そのことを他の四人はすっかり忘れていたのだ。


 「あわわわわわわわわわわわ」


 「いつものピンクにしとけばよかったぁぁぁぁ」

 

 

 

 



 ミソレッド一人を乗せたグランドミソロボは暴れまわった。


「ヤマモトヤミソニコミボンバー!!!」


 一瞬にして巨大フライエビを撃沈。


「ミソカツブレイク!」


 残りの四人に向けて、電撃を放電。


「ミソデンガククラッシャー!」


 砕けた味噌和えの豆腐が街に降り注ぐ。


「ドテニファイヤー!」


 ガスタンクに火炎放射。


「ナゴヤゲンテイミソアジポテトチップスカッター!」


 小さな刃物がビル郡を裂く。


「ツケテミーソカケテミソー!」

 


 
 
 ミソニコフ=クイタビッチ。彼の通った後には、何も残らない。


「みぃ〜〜〜〜〜〜〜そぉ〜〜〜〜」


 いや、この雄叫びだけは木霊しつづける……。


                                 完

inserted by FC2 system