丁寧な仕上げ
作品の優劣を決める要素というのはいくつかあるはずなのですが、
その中でも、もっとも目立たない要素でありながら、これを疎かにしては絶対に勝てない、
と断言できるのがこの表面処理。表面仕上げです。
あまりに基礎的なことであるが故、その人の技術力が判別できるファクター。僕はそう思って作業しています。
サンドぺーパーの番手選択 |
最終的な塗装の選択により変化 |
表面処理の次の段階にある塗装。その方法の選択により、
使用するべき適当なサンドペーパーの番手が変化するはずです。
ここまで内容が概念的であった分、あまりに基本的なことですがディープでない方の為に一応書いておきます。
以下、具体例。(番手は、耐水サンドペーパーの番手のことです)
〜一般的なつや消し仕上げの表面処理〜
400番 → 600番 → 1000番 → サーフェイサー1000
600番で止まる、サフレス、等の選択肢もありますが、
一般的に丁寧な仕上げ、と言えばこれが該当すると思います。
〜光沢仕上げの表面処理〜
400番 → 600番 → 1000番 → 1500番 → サーフェイサー1000
さらにサフ吹きの後、2000番でサフ研ぎするようなモデラーさんも多いです。
この方法は所謂カーモデル的手法であり、ガンプラではあまり人気のある塗り方ではありません。
光沢の仕上げ、特にメタリックの仕上げは表面処理をどこまで丁寧に行うか、
それが大きく評価を左右しますので、尚のこと丁寧に行ってください。
あと個人的な経験談ですが、多大な苦労を要する割に報われないことが多いことを付記しておきます。
〜ラフな仕上げの表面処理〜
最近はあまり見かけなくなった塗り方ですが、最初のガンプラブームではよく見られたそうです。
240〜400番 → サーフェイサー500
この仕上げ方は非常に荒い感じがするのですが、ウェザリングの方法などによっては臨場感溢れるものとなります。
奇策とさえ言える手段ですが、コンテストに「キレイな作品」ばかりが並んでいた場合は、
かなり目立つことになるでしょう。
主にこの3つに分類されるでしょうが、番手の数字はあくまで「一般的な仕上げ」とされる数字であります。
番手に関してもご自身の好みによるところが大きいので、多少違っても全く差し支えないでしょう。
エッジ・面の解釈 |
解釈一つも十人十色 |
ガンプラを作っていると、必ず存在するバンダイエッジやモールドの甘さ。
この曲者をどう解釈するかで、大きく状況が変わる場合もあります。
他にも成型上の都合や、個々人の好み、
そういうのも併せるとエッジ・面の解釈一つで、全く違う作品が完成することとなります。
まさに十人十色。
地味で全く見てもらえないポイントありながら、最終的な「空気の違い」がハッキリする重要な要素ではないでしょうか。
〜エッジ解釈〜
エッジを立てる。言葉にすると簡単ですが、キットによっては死に物狂いでとりかからねばならないものもあります。
エッジを潰す、ゆるめる。これも全体の統一を考えると非常に大変な問題です。
どちらにせよ、「このエッジ」をどうするか。
このことはトータルで考えながらペーパーで磨くという、かなり深く難しいことだと思います。
〜面解釈〜
3次曲面か、2次曲面か、それともまっサラな面か。
文字にすればたったこれだけですが、実際にやってみると大変です。
当て木の使用の有無、水研ぎするかしないか、曲率等。
それらをエッジとの兼ね合いも考えながら、そして曲面に至っては信じるものは自分の指のみ、
という考えるだにとんでもない世界です。
とりあえず「線と面」という極めてシンプルなことも、解釈次第でとんでもないことになりかねないのです。
逆にいえば、解釈そのものも勝つための要素になりえる、と僕は考えています。
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